・秋田駅前に新ビジネス拠点が開設される。
・3月28日に正式オープンし、地域課題の解決を目指す。
・多様なサービスと連携で地元活性化へ貢献予定。
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前記事で新幹線について書いた。
地方の駅には魅力が必要だ。
そんな中で、
秋田駅前の商業施設「アルス」の一角に、新たなビジネス拠点「LiSH AKITA」が開設される。

JR東日本が主導し、
産学官金が連携して地域課題を解決するという建前は、
一見すれば耳障りが良く、非の打ち所がないように映る。
しかし、この計画を冷徹に見つめれば、一つの大きな疑問が浮かび上がる。
果たして、秋田の玄関口とも言える「一等地」に、限られた会員や学生だけが利用する「閉ざされたオフィス空間」を作る必要が本当にあるのだろうか。
本来、駅前の一等地は、その街の「顔」であり、最も多くの人々が交差し、街の魅力を体感する場所であるべきだ。
県外からの観光客が秋田の文化に触れ、あるいは地元住民が日常の豊かさを享受できるような、より開放的で公共性の高い施設こそが、街の価値を高めるのではないか。
今回の「ビジネス拠点」という案には、具体的なビジョンが見えず、流行りの「スタートアップ」や「産学連携」といった言葉で体裁を整えただけの、安易な企画の影がちらつく。
コンサルタントが描いた「どこにでもある成功モデル」を、地方の現実に当てはめただけの「てきとうな解決策」に見えてしまうのは、そこに秋田独自の熱量や必然性が感じられないからだろう。
今の秋田に求められているのは、一部の人間が議論に耽るための「箱」ではない。
人手不足や交通空白といった課題は、会議室でデータ分析をして解決するほど甘いものではないはずだ。
にもかかわらず、巨額の資金と一等地のスペースを、こうした「意識の高い」施設に割く姿勢からは、現場の苦悩から乖離したエリート層の独りよがりな論理すら透けて見える。
市民が本当に求めているのは、
もっと身近で、もっと多くの人が恩恵を感じられ、秋田に来て良かったと思えるような、
圧倒的な魅力を持った空間ではないだろうか。
もちろん、この施設が「予期せぬ出会い」から革命的なビジネスを生み出し、秋田を救う可能性もゼロではない。
しかし、それが単なる「JRの空きスペース埋め」や「やってる感」の演出に終わるのならば、
一等地の無駄遣いという批判は免れないだろう。
JR東日本には、駅というインフラを独占する企業としての責任がある。
単に箱を用意するだけでなく、それがどう街の賑わいに直結し、市民全体の利益に還元されるのかを、言葉ではなく結果で示す義務がある。
「LiSH AKITA」が、コンサルタント達の描いた絵に終わるのか、あるいは批判を跳ね返すほどの熱い挑戦の場となるのか。その真価は、三月の開設後に明らかになる。
しかし、私たち住民は、こうした「もっともらしい計画」に対し、
常に「それは本当に市民のためになるのか」という厳しい視線を送り続ける必要がある。
一等地を預かる側の無能や慢心が、街の未来を食いつぶすことだけは断じてあってはならないからだ。


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